アポリカ!通信 2025年6月:『Connecting through America アメリカ繋がり』

 アメリカからアポロン一期生が帰ってきた。

 三姉妹に入塾して頂いたご家庭。アメリカのイリノイ州に家族で移り住んだ。長女Aも、他の姉妹と同様、現地校に通っていたが、日本の大学に進学するため、帰国して高校3年生として、準備をすることになった。

 思い返してみると、入塾当時、英語の初学者だったAは、ファーストフォニックスから始めた。人と話をするのが大好きで、授業中でも御構いなし。授業と全く関係のない話をし始めて止まらないから、本当に大変だったんだよ、と8年後の本人に伝えたら、アハハと笑って流された。でも、渡米してからアポロンで習ったフォニックスがとても役に立ったんだと聞いて、白髪が一本減った。

 A本人から、昔と比べて大人しくなったと周りから言われる、と聞いて、何だか寂しい気もしたが、いざ授業が始まるとおしゃべり全開。「ねぇ先生、、、ねぇ先生、、、」と何度も話しかけてくるのに、(久しぶりの再会だし、、と)丁寧に耳を傾けていたが、「ねぇ先生、、ときわ台で一番好きなコンビニどこ?」と聞かれた時は、いい加減にしなはれ、と突っ込んだ。どこが大人しくなったんだ… 白髪が一本増えた。

 Aの授業が終わり、帰り際にアメリカ人の講師(サーシャ)を紹介したら、楽しそうに英語で話していた。日本語でも英語でも、話好きなのは変わらない。これを英語でAttribute(生来の気質)というのだろう。家路についたAが笑顔だったのが、アポロン復帰初日を物語っているようで安堵した。

 英検準1級合格を目指している中学生と小学生の姉妹。彼女たちも、お父様の仕事の関係でアメリカで暮らし、現地校に通っていた。今は都内の隣の区に居を構え、受験を見据えてお母様がうちを見つけて下さった。毎度の送迎、有難うございます。

 姉妹揃って、英検前恒例の無料勉強会に参加してくれたので、ライティングの書き方を教えてみた。要約、エッセイそれぞれのポイントをおさらいして、書き上げた作品を添削して、フィードバックしながら悪い癖(何度も使ってしまう間違った表現、不自然な言い回し)を直してあげる。

 性格も癖も全く違うから、教え方を変える。とても素直に聞いてくれて、うまく学習モードにはまったようで、関心するくらい、終始集中していた。姉妹で一緒に頑張ることで、お互いを高め合っているようにも見える。勉強会の後、お母様がどうだった?と感想を尋ねると、二人とも英検に対して前向きな言葉が出た、と聞いて心が潤った。

 この春までアメリカの現地校に通っていた、中3Bくん。とてもフレンドリーで弟想いの男子、なんと英検1級にチャレンジ中。しかし反抗期もあり、お母様がいくら諭しても中々勉強に身が入らないようで、どうにかやる気を引き出して欲しい、と当塾に白羽の矢が立った。

 姉妹と同じ隣の区から、自転車を飛ばして通ってくれている。今週は運動会の後、暑い中(止せばいいのに…)25分で教室に着いた、自己最高記録だ!、と嬉しそうに報告してくれた。

 直近の日曜日に一次試験が終わり、英検1級の二次試験に備えて対策を始めた。政治、経済、思想や社会システム、安全保障、、そこから核兵器の保有や地政学について、議論は展開していった。高校生でもここまで話せる子は中々いない。面白かったのが、たまたま近くの個別ブースで自習をしていた小学生が、我々の真後ろまで近付いてきて、会話をじっと聴いていた。<

 知識欲が旺盛で、普段から早く教室に来て読書に耽る生徒。ずっと戦国時代が好きだった彼は、最近は世界史に興味が向いてきたらしい。そんな時に、世界情勢の話をしていたのを聞いて、好奇心を抑えられなかったのだと思う。授業中にも関わらず、目の前の白板に書いた私の文字を指でたどりながら、「この言葉、知ってる」と話しながら、議論に加わろうとしてきた。若者たちの素養と可能性に心がニンマリとして、思わず「将来、日本の首相になってくれない?」と二人に問いかけたら、否定はしなかった。

 その後。お母様によると、その授業の時の様子を家で嬉々として話してくれたらしい。反抗期の最中でも、有意義な経験ができれば、ポジティブな声が伝わることがわかった。そういう声を聴くたびに、ヘトヘトの心も癒されて、次への励みになる。

 アメリカという共通項を持つ、人との繋がり。おかげでアメリカという国の『今』が、とても身近に感じられている。

 そうだ、もうすぐあの一期生たちも帰ってくる。アメリカから、ハリケーンが2つ🌀🌀 毎夏の風物詩と共に、ときわ台がにぎやかになってきた。