昨日、ときわ台駅前から続くバス通りの喫茶店で、新たに加わったスタッフと今後の打ち合わせをした。
上板橋駅からときわ台本校への移動中に流れ着いたこの喫茶店には、アポロン開業時によく通っていた。アポロン1年目は、その喫茶店の隣の物件で始まった(※画像)。なけなしのお金で買ったオーダーメイドのブラインドが、今も窓を飾っていた。
喫茶店に入ると、顔馴染みのママさんがカウンターに立っていた。何年ぶりかの挨拶を交わして、懐かしい奥の窓際の席に座った。
注文を済ますと、突然、南国のスコールのような大粒の雨が降り注ぎ、稲光がパッと街並みを照らした。びしょ濡れにならなくてよかったね、とか言いながらも、夕方から区役所前ジムでレッスンがあるな、、それまでに収まってくれれば、、と願いつつ、隣にいた頃の話をし始めた。
名物グラタンに二人で舌鼓を打ちつつ、当時の想い出と、これからのことを語った。過去~現在~未来という連続した時間を、同じ空間で垂直的に考えることができた。あの頃から相当な時間が経っているはずなのに、グラタンの味も、喫茶店の雰囲気も、客層も、スタッフさんたちのフレンドリーな接し方も、まるで時が止まったように変わらない。不思議な感覚だ。
変わったこともある。ママさんの息子。何年か前にアポロンに通ってくれていた頃はまだ顔つきも幼かった。ママさんが、私が奥にいるのを彼に教えて下さると、席まで挨拶に来てくれた。
当時も子供らしく純粋でいい子だったけれど、それは全く変わっていなかった。趣味の話をしてから、勉強の方はどう?と聞いてみると、最近は以前ほど嫌いではなくなって、社会、特に歴史が好きになってきたらしい。好きな歴史上の人物は、織田信長だそうだ。
母国の歴史を知ることは大切だ。垂直型の時間が流れているのは、塾だけではなく、人にも国にも言える。過去~現在~未来。過去がないと、現在も未来もない。お盆休みには、自分の先祖の供養をしながら、読書や音楽で非日常に浸って、未来についても考えてみよう。この国も、国際化まではよかったが、グローバル化が進み過ぎた。その反動が顕在化したのは先般の参院選でも明らかだ。
私の世代は『ロスト・ジェネレーション(失われた世代)』。『就職氷河期世代』と呼ばれることもある。確かに、凍るほど寒かった🥶。地球の気温はぐんぐんと上がったけど、日本の経済はだんだんと冷えていった。まずい、凍えて死ぬかもしれない、という不安が頭をかすめたこともあったが、何とか生き延びてきた。今どきの女子高生まで、選挙の話をする時代になった。若い人たちもみな、何か大切な、失われたものに、少しずつ気付き始めているのかも知れない。
ちょうど打ち合わせが終わる頃、雨がピタッと止んでくれた。夏の太陽が、また照り始めた🌞。アポロンは太陽神でもある。この場所で初心に返って、ソーラーパワーを充電して、この道を進もうと思う。