アポリカ!通信 2025年9月:『Just like seasons 同期する春と秋』

 生徒たちの夏休みが終わった。

 お盆休み明けには、秋田できりたんぽを食べたとか、沖縄でアイスクリームを食べ過ぎて苦しかったけどまた食べたいとか、宿題が終わっていないのにこれからグアムに行くとか、羨ましい話をたくさん聞かせてもらった。

 季節の二極化が進んでいる。春秋が短くなり、冬夏が長くなっている。でも9月に入ると、とりあえず気象庁は『秋』と見なすらしい。イギリスやアメリカでも、呼び方は違えど(autumn, fall)、9月から秋になる。でも南半球のオーストラリアは、季節が反対なのでこれから『春』が訪れる。

 最高気温15℃。春の足音がまだ遠いメルボルンから、メッセージが届いた。アポロン一期生のMから。彼女は、中1からアポロンに通って英語力に磨きをかけて、高校入試、海外大学入試を乗り越えた(※Mについての過去コラムあり)。

 内部進学を蹴り、一大決心して海外留学。名門モナシュ大学に合格して、現地メルボルンでほぼ二年を過ごした。心配していた学業も問題なく、友人もできて、自炊も覚えた。少し生活に余裕が出てきたのもあるのか、「留学中に経験したことを、誰かのために残したい」という思いもあり、アポロン・ユウリカの内部生に向けたコラムとして届けたいと書いてあった。

 そう言えば、昨年末に彼女が一時帰国した時は、アポロンのクラスに飛び入り参加して、生徒たちの質問に優しく答えてくれた。居合わせたアポロン生にとっては良い刺激になったはずだが、Mにとっても良い経験になったんだろう。自分の一つの経験が、また次の経験に発展することもあるし、他の誰かの経験に展開することもある。

 時差1時間のオンライン会議で、アイディアのプロジェクト化について話し合った。留学生活も残り1年となって、オーストラリアと日本の文化の違いや、現地での学校生活など、友人も巻きこんだりして、日々発見したことを共有したいらしい。アンケートで頂いた質問に答えながら、皆さんと一緒にコンテンツを創っていきたい、投稿ペースは2週間に一度なら無理なくできそう、とも言っていた。

 オーストラリアの元アポロン生と日本の現アポロン生が、インタラクティブに共働して何かを創るんだと思うと、自然と心が踊る。この種(たね)から芽が育ち、やがて木になり森になる。関わる人たち全員の心の潤いや成長に繋がってくれれば、やりがいもある。

 

 さて一方で、ユウリカでも、多くの生徒がこの夏に成長を見せてくれた。

 発音が上手くなった、TEAPのスピーキングスコアが大幅アップした、模試偏差値が大幅アップした、テスト満点、、、

 塾として、こういう分かりやすい『結果』を出し続けることも大切。英検に合格して、家族で「お寿司を食べた」と嬉しそうに話していた生徒。達成感が自信に繋がり、やる気が増幅していくこともある。

 でも同時に、英語が「面白い」と思ってくれたら、と願う。言語としての面白さ、日本語との違い(子音優位と母音優位、語順、数の概念、Cock-a-doodle-do とコケコッコーとか、、、)など、学んでいると数えきれない程の発見がある。ビジネス英語だって、TOEIC のスコアが上がればある種の達成感はあるかも知れないが、それが実際のビジネス現場でどれくらい有用かは別の問題だ。結果を求める前に、プロセスを楽しまないといけない。英語が出来るようになることで、話せる相手が増えて、英語コンテンツがそのまま理解できて、自分の世界が広がる。自分の考えを世界に発信するかどうかも、自分次第。

 英語だけじゃなく、他の言語もそう。他の教科だって、知れば知るほど面白い。秋と春が同時に地球に存在するのも地軸が傾いているから。そもそも地軸が傾いたのは、地球が他の天体と衝突したかららしい。お金持ちの金庫の中に眠っている金も、あのラッパーの歯に埋まっている金も、二つの中性子星が衝突した時の爆発で生成されたかも知れない。宇宙の仕組みにしろ、歴史にしろ、普通の教科書からはみ出たところが特に面白い。人生は季節のように巡るもの。四季折々、旬のテーマを探究し続けるものなのかも知れない。

 

※Mについての過去コラムです↓

アポリカ!通信 2023年6月:『More Dramatic than Drama』(前編)

アポリカ!通信 2023年7月:『More Dramatic than Drama』(後編)